第95回企画- 篠原勝之『空っぽ』展

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Galerie LIBRAIRIE6/シス書店では第95回企画として、
篠原勝之『空っぽ』展を3月5日(土)~3月20日(日)まで開催いたします。
啓蟄のころ、土くれとゲージツ家のKUMAさんの手で徒然に捏ねて焼かれた「空っぽ」約30点に、
和紙に描いた「Pokaaan」10点の展示です。
篠原の長く続いた鉄の時代から土器の時代に移り初めての展示です。

【作家在廊日】
◉5日(土) ◉6日(日) ◉18日(金/16:00~19:00) ◉19日(土/13:00~16:00)
(変更の可能性もございます事、ご了承ください)
※最終日3月20日(日) は17時に閉廊いたします。
※月曜・火曜は休廊日です。


空っぽ』

鉄の作業場を処分して作業場の庭の蓮池も埋め戻し、素手でひと掬いした最後の粘土質の土くれを捏ねた。
何かを作ろうというでもなく、ただ土の感触を弄んでいた。ヒトの掌や腕の構造が内側へ向っているからなのか、土くれは徐々に球体に近づいていく。縄文人も水を掬い飲む時は、両掌を合わせ盌型にしたのだろうか。土くれ球を眺めながら骨組みに潜むジカンの隔たりを想い、ド真ん中に突き立てた両の親指を引き抜くと、オレの指が空っぽのカタチになった。他の指で押し広げながら起ち上げていると赤ん坊のアタマほどの空っぽの盌が出来あがった。
オレの土器ジダイの始まりだった。
 
                                                篠原勝之


篠原勝之 – Katsuyuki Shinohara –
1942年 札幌に生まれ、鉄の街・室蘭に育つ。高校卒業前に家出、上京。武蔵野美術大学中退後、グラフィックデザイナーとして広告制作会社に数年勤務。退職後サラリーマンと決別するためスキンヘッドに。日雇いのアルバイトをしながら挿絵画家、絵本作家として棲息。1973年~1979年〈状況劇場〉のポスター・舞台美術を担当。1981年、エッセイ「人生はデーヤモンド」で注目を集める。1985年 都心のビル解体現場で瓦礫から剥きだしになった鉄の姿に衝撃を受け、「鉄のゲージツ家」を宣言、スクラップ鉄を素材に作品を精力的に制作。1995年 山梨県北杜市にキューポラ炉を備えた作業場を構える。 光・風・土・水といった自然のエネルギーに呼応するダイナミックな造形は国内外で制作、展示、常設される。

【ご来廊の皆さまへ】
○換気のため入口と事務所の窓を開けさせて頂いております。
○入口にアルコール消毒液を設置しておりますのでご利用くださいませ。  
○会場内は15名様迄とさせて頂いております。人数を超えた場合は、恐れ入りますがお待ち頂いておりますのでご了承下さいませ。
○状況に応じて開廊時間を変更する場合はHP・SNSにてお知らせいたします。ご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

LIBRAIRIE6 /シス書店
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TEL/FAX : 03 6452 3345
CONTACT : info@librairie6.com
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CLOSE : 月曜日 ・ 火曜日(月火が祝日の場合も店休)
    ※展覧会最終日は17:00に閉廊いたします。

©Katsuyuki Shinohara
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