第37回企画- 大月雄二郎「鉄器時代」

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Galerie LIBRAIRIE6/シス書店では第37回企画として、
大月雄二郎「鉄器時代」展を9月5日(土)~9月20日(日)まで開催致しました。
今企画展では、新作タブロー作品20点に加え、オブジェ10点を展示致しました。

L’âge de fer 鉄器時代

話をしたいわけじゃない。
それより僕は聞きたかったのだ。
鉄錆の鈍い光の由来と、そして彼らの遍歴を。

退役して久しいこれらの車両昇降機(ジャッキ)が僕を引きよせるはるか以前に鉄の時代は去っていた。
車両の重量、機械油(グリース)、泥、デタラメな操作にこの小さなアトラスたちは屈しはしなかった。
しかし、なんて重さだ!

鉄器は口々に話し出す、彼らには名前がある。彼らはものを言うのだ。
« Walker, Rees, Kimball, Simplex, L82, Pittsburg, Patented in US, Lift, Chicago, Cap 4 tons, British Made, Lake & Elliot,
All Foreign countries, DUFF, Type 6, MFG Co., Toronto, Juin 1919, M1/2, Ashland, BALL BEARING… »
もしこれらの言葉がポエジーでないと言うのなら僕はこの場でおさらばだ。

手でじかにこの「道具」に触って欲しい。
僕が手の平や指、筆で撫でまわしたように。

形状、体積、密度、そして控えめな熱伝導率を掌につつむ。僕は筆で輪郭をなぞった。物体は稜線だけを遺して溶解し、消える。
この鉄の彫刻に力を加えれば
軋んだ金切り声、低い労働のうめき声をあげる。

まだちゃんと動く。故障もない。        

いやはやたいした鉄屑だ!    大月雄二郎



【トークイヴェント】
日時:9月19日(土)17時より
話者:巖谷國士(仏文学者)+大月雄二郎(美術家)
定員:30名
料金:¥1.500-
※イベント開催日は16時半に閉廊させて頂きます。



大月雄二郎 – Yujiro OTSUKI –
1948年神戸生まれ。
1969年に状況劇場に入団。71年に退く。
その頃より銅版画に興味を抱き、山本六三により手解きを受ける。1972年に渡仏し、同地で池田満寿夫に出会いドライポイント技法を習う。
その後、作家ロラン・トポールと親交が始まり多大な影響を受ける。同年の銅版画展以来、東京・パリをはじめアメリカ・ベルギー・モナコ・トルコなどで個展・美術サロンに出品。
2011年、フランスに於ける芸術勲章シュヴァリエを受勲。

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